創作する人間

基本的に創作は孤独だと思う。

共同制作といっても、結局作るのは自分の表現したい世界であって、それは独創という言葉があるように、他人にまったく同じものは作れない。
そういう創作を長い間続けていれば、たとえ一日に必ず他の人間とふれあう機会があるとしても、なにやら他の人からどんどん世界観が孤立して孤独になっていく感じが自分の場合はあった。

知り合いより、とても長い間創作を続けていたが、いろいろと犠牲になったものもあったと聞いた。
結局やってきたことは自分の世界を表現する自己満足で、山にこもる陶芸家とあまり変わらないのかなあと思うこともある。

ただ、そういう人は人付き合いでどうなるかなあと考えると、少し面白いことになっているかもしれない。
創作で高いところまで登った人は、自分なりの考え方と、魂と、根性をもっていて、とても強い磁石のような人間になっていると思う。興味がある人は凄い力で惹きつけられ、創作をなんだ変な趣味だなあと思う人はすごいスピードで離れていく。
かつ、創作をやる人は世界を見る目と感性が高い。ので、人から言われたことで結構心が揺れ、逆に人に対してはとても深いところまで読み取って接することができる。ガラスのように純粋で脆い。

結局創作人間は、ガラス製の強力磁石のようになる。

それは人間としてとても興味深い存在であって、人の中にはいっていけないよ!ということは決してなく、むしろ人の中で際立つ存在になりうるように思う。その人にとっては、大きな価値だと思う。