人形渡橋の秘密 第5話

 いろいろやったが情報が得られなかったため、神戸市北区に橋について質問を送ったところ、返事が来た。
 郷土資料にも由来がなかったので、地元の方に聞いていただけた様子。
 ありがたいことです。

 今は道路をはさんで大きな橋がかかっているが、昔のこの川は、子供がジャンプすると対岸に渡れるほどの川幅だった。
 初夏の頃、稲に付く害虫を藁人形に見立てて、それに火をつけ害虫を追い払う「虫おくり」という行事があったという言い伝えがある。
 今は行われていない。

 人形渡り橋の由来はこの虫おくりの行事である可能性がある。確かにネットを調べてみると虫おくりは、かつて田んぼの刈り株に足を取られて死んだ武将の怨念が害虫となって田んぼをだめにするので、その武将を藁人形に見立てて外に出すという行事で各地農村でまだ行われているところもあるらしい。このあたりは盆地でまだ農村の色が濃い。こういう行事があってもまったくおかしくない。

 もしかすると、藁人形を燃やすの行事をやめたので、その人形が怨念いっしょに外へ渡るために橋をかけたのかもしれない。そうでなければ、プレートによると神戸市が建設したのが平成に入ってからだが、それよりも昔から人形渡り橋はあったのではないかと思われる。

 今回で最終回にはしない。また新しい情報があれば書き留めます。

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