仮面

 人は大人になると仮面を被る。
 
 礼儀とか、形式とか、マナーとかそういうものがたくさん入ってきて、本当の自分ではない自分を気づかないうちに上塗りしていく。そして、自分が本当にやりたくもないことをやらせられ、これは自分の使命だ、これをやらなければ生きていけないんだと自分に言い聞かせて、または周りから言い聞かせられて、自分でもわからないうちに思い込みが自分の中で偽の自分を作っていく。最終的には、鏡を見ても、自分の仮面があるせいで、自分自身すら見えなくなってしまう。自分の言っていることが本当に自分の気持ちなのか?それすらもよくわからなくなる。そうやって人は子供ではなくなる。

 稀に、そうならなかった人間が存在する。様々な社会の波が外からきたにもかかわらず、仮面を被らなかった人間。そういう人間に正面から当たったとき、ふと、自分が仮面を被っていたのではないかと考えさせられる。

 さて自分は?

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