もう十分に楽しんだ

 幼少の頃、みんなで流行のテレビゲームを始めたりしたことがあった。

 次の年、新しいゲームが発売されてみんなはそっちのゲームのほうに移った。だがしかし、自分にはまだやり残したことがあり、とにかくそのゲームが終わるまで次のゲームははじめられない。そう言っている間に、自分は流行のゲームから遠ざかっていった。

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 水の流れを観察してみたことはありますか。その瞬間、つぎの瞬間、水は必ず前と違う形に変化している。予測不能なその変化は、機械的な動きと違っていつまで眺めていても飽きのこないものだった。そういうわけで、もう十分に楽しんだだろう、と言われるといいえと答えるしかなかった。そんな柔軟なものと、柔軟なものの見方を忘れたくないと今となって思う。

 そしてそんな自分がゲームを作り出すときがきた。

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