対価

風邪で仕事を休み、布団の中でいろいろと考えていた。製造業の良さとは何か。それは形あるモノの対価としてお金をもらうことにある。
 
農業も、多分音楽活動やアイドルといった著作物の販売もそれにあたるだろう。買う人は、お金を払うかわりに、形ある何かを手に入れる。それが支払った金額に見合わないものならば、次から買わなかったり、不具合があれば作った人に連絡したりできる(製造物責任法)。これはお金とモノがきっちりつながった、クリアな取引だ。
 
対して、不動産や金融、証券取引とかの商業は、いわゆる中間マージンという形でお金を受け取ることが多い。その受け取ったお金に対して、払った側には形あるものが残らない。これは農業や製造業に対してややグレーだ。競馬やパチンコで生計を立てている人も存在するだろう。形あるものを取引しないという意味では、商業と似ている。
 
商業が悪いというわけではない。特に経済をまわすという意味では絶対必須だ。ただ、形あるものを取引するかしないかは、作っている自分のモチベーションが違う。渡したものの責任も負うが、渡したものによって使用者が満足したならば、対価として得たお金は勲章のようなものだ。この勲章を使ってさらに作り出すものの質を伸ばす。そしてまた勲章を得る。これは正のスパイラルだ。

だから、給料をもらったあと、そこから生活費を引き算してあまったお金は、自分の創作の力を伸ばすための何かに使いたいと思うのだろう。