人間の拡張子

http://www.kazamit.com/u/bounty.mp3
戦場の風(BountySwordより)

盆休み二日つぶして耳コピした、ゲームの曲。躍動感あふれるマーチで曲の完成度が高い。いろいろと曲想の勉強になるだろうと思ってMIDI化して録音した。以前オークションで購入した新しい音源MOTIF-RACK-ESをつかってみたが、ストリングスは満足いく音になったもののトランペットがどうしてもオーケストラな音にならない。

オーケストラのトランペットと、トランペット一本の前でマイクで録音した音はぜんぜん違うので、別の楽器として扱ったほうがよいのだが、プリセットには区別がないため一本のトランペットからオーケストラのトランペットの音色らしきものを作る必要があった。それだけのためにさらに半日費やしたが、よい響きのものがつくれず、結局ある程度のもので妥協した。もっときらびやかで「ファーン」という音が出てほしいのだがなかなかうまくいかない。わからない人はスターウォーズのオープニングテーマを聞いてみてください。MOTIFは音色の設定が多いのでがんばればなんとかなりそうな気もするが。

                                                                                                                                                    • -

数日前に、創作物に対してのレスポンスを得るために創作をしているのか?という疑問が挙がったことがあったが、どうしてもその答えが出ず、この二日間悩み続けた。今日になって思うことは、創作物は最終的には何らかの自己表現の手段であって、練習で公開しない作品や、俗に自己満足として作るものもあると思うが、やはり外に公開して見る人聴く人に何らかの影響を与えることが創作物そのものの存在価値であるように感じている。公開しない作品は無意味ではないが、(イスとかオーディオアンプとか実用的なものは別だが)ゲームや絵などの創作物、言葉としては芸術作品のほうが当てはまると思う・・・そういうものは言葉やジェスチャーと同じように外に何かを表現するための一つの技法でもあると感じるので、公開しないことは何も作っていないことと大差ないのではないだろうか。
 
貴重な時間を創作に割くのは無駄では?もっとやりたいことないの?という疑問からいろいろ最近考えているわけだが、創作物は、作った人間の拡張子(または識別子)のような役割を果たすと思っている。人の趣味とか経歴とかを聞いてもそのうち忘れるが、たとえば宮崎アニメなどを見ると長い間印象に残るだろう。それによって宮崎はやおのメッセージが人の中に刻まれているのです。そういうわけで、創作物を作ることは自分のアイデンティティを濃い形で外に残しておく効果があるのではないかなあと思う。物を作り出すためにはすごいエネルギーがいるが、それ相応の効果はあとからついてくるだろうと考える。創作の必要性を説明するならこんなところでしょうか。

とりあえず創作物を見るときは、面白かった、面白くなかった だけではなくて、この作品(もしくはその作中の描写など)から作者は何を言いたかったんだろうということを考えながら見るようにしている。