冷えた宇宙

 俺のサンダルには微妙に穴があいていて,歩くたびにキューキュー音がなる.まるで幼児.幼児と言えばsa――
 凍てつく寒さの中,ビルの間でサンダルの音だけが虚しく響く,夜の金沢.
 18年続いた学生生活も,残すところあと数ヶ月となった.焦りや感傷といったものはあまり無く,嗚呼,終わるんだなあといったエントロピーが徐々に高くなるような感覚.このままでは俺の未来は冷えた宇宙になってしまうぜ!

 などと考えている間に着々と論文の提出期限は迫る.

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