浅い眠り

 天蓋も慣れぬ場所なら意味を失う。ただの暗幕。

 雲の切れ目を駆けた。これ以上自転車を野晒しにするわけにはいかなかった。雷雲が登っていった山を背にして、予想外に長持ちするダイナモのランプが濡れた路上を淡く照らす。明るみのあるほうには厚い雲がある。風邪をこじらせたら事だ、ト思って急いだ。
 家に帰ると学食でラーメンを食べたにもかかわらず食事が用意されていた。うかつにも真実を告げたので、親の機嫌は相当悪くなった。しかも何を食べてきたのかと聞かれてうどんと答えた。それは昼の話だ。

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