いわゆるマイナス志向で考えれば

これは大切な発見でありました。

創作の世界において、
「どうして、そのくらいで満足できるのか?」
と思うことが最近多い。
 自分は君たちとは違う次元で創作をしているから、歩いている高さがそもそも違うんだ、などという自己満足的で自己中心的な考えをしているわけではない。私は小学校の頃から目標と志は基本的には変わっていない。その観点から見ても、昔よりもハードルが落ちているのではないか、ということであります。

 高解像度・大容量の市販ゲームのクオリティは、個人のアマチュア創作では量的にも技術的にもなかなか同じレベルに達するには難しい状況となりました。しかも、ゲーム業界はしのぎを削って毎月何本、何十本というゲームを量産していきます。見渡せば、面白そうなゲームはとてもたくさんあり、アマチュアのツクールなどで作られたゲームなんかよりそもそも格が違うのではないか、という意識が広がります。創作者の人はまずはじめに他人のゲームをプレイして楽しみ、そこから自分の作りたいものを連想することから、創作者自身がありあまる市販ゲームに(さらにMMOなどのネットワークゲームに)はまってしまって創作をやめてしまうケースも少なくない。
 そしてネットの普及。誰でも簡単に作ったゲームを公開し、感想をもらえるようになりました。しかしそれは、自分の名前を広めたい、有名になっていろいろもてはやされたいといったほうに大きく傾いてしまい、本来の創作の目的を忘れてしまっているということを多々みかけます。短いゲームのコンテストや、素材だけのコンテストは、手軽ではあるものの、中途半端なところで満足してしまい、クリエイターにとってもプレイヤーにとっても、そのハードルを下げてしまうことになりかねないのです。

 ネットワークが普及していない頃はなかなか公表の場がなく、一作に全身全霊をかけて作っていたものです。今でもそうだ、という人は非常に結構です。私もそうありたいと思っています。自分は自分の好きなように作ればいいので、他の人のことを考えるのはおせっかいかもしれません。しかしもし、強い力を持っているのに、周りが中途半端なもので満足しているのを見てそれに慣れてしまって、自分も低いところに落ち着いてしまう人がいたならば。どうか目覚めて欲しいと思います。

 私は現時点で、これ以上自分の名前はひろまらなくてもいいと思っています。そしてGEを発表したとき、それを先駆けとして大作にとりかかる人が多くなればいいと思っていました。しかし、ああ、こんなRPGもあるけど、私はこのくらいでいいや、という流れが強すぎてそうならないかもしれないと最近考えているのです。(もしかしたらしょうしゅうさんがなんとかしてくれるかもしれませんが)

 ツクールはだめだ、という人もいます。しかし、ツクールの大作を希望しているプレイヤー、そしてそれを構想しているクリエイターは存在しています。そしてそれは作ることが可能です。どうか、一度ネットワークの全ての意見を振り払い、自分は本当は何を作りたいのかをもう一度ゆっくり頭のなかで考えてみてはいかがでしょうか。

 名声を得るために作るのではなく、作り上げた結果名声はついてくるのです。

 次の日の16:52