ある夜

 ある夜目が覚めると家が溶岩に侵食されていた。きっとすぐ下で噴火が起こったんだと私は思った。とても軽い気体の入った風船を使って家の前の道路まで飛んで、近隣の家々に溶岩が来るから逃げてくださいと言った。相手にしてくれない家もあったが、みんな溶岩を見ると家族総出で車で逃げてくれた。
 このあと家に戻ると、家の入り口のところに母親が座って祖父の麻雀牌を彫っていた。これは世界に一つしかない麻雀牌のセットだったのだけれども、溶岩で半分ほど溶けてしまったらしい。そんなことより命のほうが大事だと思って母親を連れ出そうとしたが、足が溶岩と同化して動かないという。そこで私は

 ここで目が覚めた(昼)。命は大事だと思った。戦争のゲームはあんまりいくない。

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