てぶくろを買いに

 お母さんギツネが倒れてしまったので、子ギツネが人間の子供に化けで街まで手袋を買いに行くという物語が、小学校の教科書にあった。私は県をまたいで転校したことによって、この文章を二回勉強しなければならないという極めてまれなケースに遭遇した。子ギツネは結局手袋はばれずに買えたのだが、帰り際にコートからはみでている尻尾が店員に見つかり「ギエエエエエエエエエエエエ狐の化けモンだああああああああああ!!!!!」と警察に突き出されたりはせず、店員はそっとそれを見守っただけで終るという心温まるストーリー。
 私はこの文章から”人間、勝負が決まる直前になって気が抜けるので気をつけねばならない”という大切な教訓を心に刻んだ!!

 というわけで手袋が破れたので手袋を買いに行った。実のところ、最近太鼓の達人で手の皮を頻繁に痛めるので、使い良い手袋はないかとダイエーに探しに来たのであった。
 まず滑り止めがついていないとだめだ。親指の付け根辺りから皮で、他の部分がナイロンの手袋もあったが、やはり指の先まで滑り止めがなければ持ちにくいのではないかと思い、手のひら全体に滑り止めが散りばめられている手袋を選出した。500円。
 新しいものを入手すると使わずにはいられないB型。回数券が切れたにもかかわらずバスを途中下車して(アイカはまだ買っていない)太鼓の達人に挑戦。
 結果、非常に違和感があって打ちにくい。滑ってはいないのだが、自分でしっかり握っているという感触が無いのが難点で、高速部分の反応も鈍ってしまうようだった。やはり素手が一番良いようです。
 手袋の袋という字をずっと見ていると「あれ?袋ってこんな字だったっけ?」とだんだん思えてくるのだが、これをゲシュタルト崩壊というらしい。私は人よりゲシュタルト崩壊を起こしやすい頭をしているような気がしてならない。

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