ノミコン級

 5時半ごろ、寝る直前に夜更かしがばれて親に酷くしかられた圧迫感からか、ひどく狂気的な夢を見た。鮮烈です。

 近未来、私の家族は浜辺の近くの家に住んでいた。周囲の高層ビルとは少しはなれた小さ目のマンションだった。近未来なのに私は今よりもかなり年の若い頃。おそらく昔の記憶の再現も混じっているのだろうか。妹と浜辺に木で謎の模様を描いていた。▽や○を組み合わせた幾何学的で抽象的な模様だった。
 そしてその日は来た。世界のどこかで、非常に大きな規模の爆発が起こった。後にテレビで見た中継では、半球状の黒い物体で上下が赤黒く染まっている巨大な爆発が映し出されていた。(AKIRAのOPの爆発に酷似)しかしそれに音は伴わない。その時浜辺から、海のほうにできた巨大で鮮明な虹が見えた。しかし他の人にその話をしてもわからないということが多いことから、虹が見えたのは私を含めてごく少数の人であることを知った。(爆発も私以外で見えない人がいた)
 それからというもの、青空のど真ん中に謎の物体が描かれるようになった。黄色や青の光の線でうっすらと、第七〜〜製造工場というロゴや、缶詰〜号といったロゴが空の奇妙な場所に描かれている。しかしそれも見える人は少なかった。
 夢の中でも親に怒られていた。やっきになった私は部屋のブラインドから差し込む光の下で、「異常気象で虹はもう先200年は見られない。でも虹が出なくてもさして不都合はないけどな」程度のでまかせを言っていた。
 次の日、浜辺にいくと大変なことになっていた。描いた幾何学模様の数だけ、海に小さな虹が連なっていた。そして私がそれを見ると、崩れるように虹はきえていった。その直後、海の向こうのほうでまた例の爆発が起こった。赤黒い半球は、音も立てずに水平線の向こうを地面と平行に移動している。そのあと恐ろしい爆風がこちらまで届いた。私は走って高速道路の近くまで逃げたが、道路の上にできた黄色い光のラインのところで爆風においつかれてしまい、先200メートルほど飛ばされてしまった。そして2メートル程度四方の正方形の形をしたビルの屋上にしがみついたが、爆風のせいでビルが前後50度くらいの角度で振動している。私はしがみつくのがやっとだったが、通りかかったいとこが素手でその振動を止めてくれた。
 そしてふと隣をみると、模試で成績の良かった少年が塾の先生に誉められていた。私もつられておめでとうといった。どうやらその少年の話をきくと、その少年も空に浮かんだ黄色や赤の線図が見えているらしい。
 そのあといとこと少年とともに近くのゲームセンターへ行った。窓から空が見えるゲームセンターだった。何気なく歩いているといとこが「あ、でけえレーシングカーだ、かっこいい」といった。たしかにいとこの指差す先の青空には、薄黄色の線でレーシングカーが描かれていた。
 そこで何故か不安になり、私が振り返ると、真後ろにレーシングゲームがあった。そのゲームのプレイヤー画面に、全く同じレーシングカーが描かれている。それに気付いた瞬間、ゲームをしていた男女のカップルのうち、女性のほうがばたりと倒れた。ここで私は真実を悟った。即ち、”空に映し出されているのは、空から見て地上に見える光の図で、それを空に逆投影している”ということを知った。
 その後ゲームセンター内の休憩所で休憩していると、いとこの方へ空ろな目をした先ほどの女性がひたひたと近づいてきていた。さっきのいとこのレーシングカーの言葉で、空の図が見えてしまってパニック状態になってしまったんだろう。私はその女性を押し止めて言った。
「あなたも真実を見てしまったのですね。どうか落ち着いてください。あなたは普段見えないものが、見えるようになってしまったんですね。落ち着いてこちらに座ってください」
 そういうとその人はやや冷静を取り戻し、椅子に座った。しかしどうも、私たちが見えていたものとはもっと別のもの、本当に見てはいけないものを悟ってしまったようなそんな恐怖があった。その女性が話を切り出そうとしたその時、


         目覚め。

午前6時就寝・午前8時半起床。

2:40