長年の相棒

 秋だというのに暖かかったので自転車のパンクを修理しにいくことにした。インターネットタウンページ(通称iタウンページ)を使えばキーワード「自転車」を入力し地図をクリックしていくだけで自分の近辺の自転車屋を視覚的にとらえることが出来る。ネットは広大だわ
 とりあえず一番近い自転車屋まで後ろの車輪を引きずりながら歩いていったが、どうも閉まっているらしく、来た道を戻って二番目に近い自転車屋を目指した。戻りはじめから既にチューブが擦れてグァリグァリという音を立て始めていたので、後ろのタイヤを地面につけないようにしながらの根性での運搬となった。
 この自転車は確か高校入学後に買ってもらったもののように思う。もう7年も使っているものだった。内灘から高尾台西部緑地公園から柳橋までもう何百キロメートルと走ってきたのだろう。車の運転が嫌いな私にとっては、無くてはならない相棒だった。この自転車が使えないという事実はまるで自分の身体の一部が動かなくなったような妙な感覚に捕らわれるのでありました。
 そこにあったのは本当に小さな自転車屋で、店幅4メートルも無い敷地に所狭しと自転車が並べられていた。店主の老人が地面に座り何か工具で部品を磨いていた。パンクを直して欲しいと頼むと、今日は休みの日で片付けをしようと思っていたが一時間ほどあれば大丈夫とのことで引き受けてもらえた。よくよく見ればパンクした後輪の状態は思わしくなかった。パンク自体はいままで何回かやってしまったが、そのたびに後輪をひきずって自転車屋までいったので、タイヤ自体もがたがたになってしまっていた。針金を踏みつけて一撃でパンクしたこともあった。
 あと30分ほどで仕上がるようで一旦家に戻ってきたが、きちんと修理されていれば嬉しい限りだ。高校の時ほど自転車で遠出することはなくなったが、とにかく車の運転は嫌いなのでできるだけ自転車を大切にしていきたい。戻ってきたら掃除でもしよう。
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